
私の「明るい犬計画」に「あま噛み」の文字は無かった。
やられた!
これほどまでに酷いとは思わなかった。
子供たちの手足は蚯蚓腫れ。
私もソファーから降りられない。
しかしこれを乗り越えなければ私はリーダーになれない。
よし!「しつけの本」がダメなら今度はドッグトレーニングに賭けてみよう。
夕方の散歩は私が連れて行くのだが
いつもアトムに散歩に連れて行かれる私だ。
横を歩くことなく、グングン先に行く。
これをまず先生に直してもらおう。
そして家族に口笛でも吹いて何気に自慢してやろう。
トレーニングの初日が来た。
いよいよ近くの公園で始まった。
しかしどうしてだろう?
アトムは先生の横をちゃんと歩いているし
顔も見て、声にも反応し、次に指示を待っている。
毎回感じることだが、実に2人のリズムがいい。
あの軽やかなアトムのステップはなんなんだ。
それに先生はアトムとノーリードで行っている。
右、左、直進、ターンとまるでダンズを踊っているようだった。
「これだ!これなんだ!」
これこそ我が家のいや私のバラ色の「明るい犬計画」のスタートなんだ。
そして私が理想としていた飼い主の姿であり
古風な女性のように1歩下がり飼い主を立てる。
犬を飼うということはなんて素晴らしいんだ!
先生はいつも言う
「アトムはいい仔ですね」
「トレーニングしやすいですよ」
《しかし私は今までその言葉にだまされていた》
前回の「しつけの本」に引き続いて、すごく疑問がある。
いやこれは不満と言うよりも苦情である。
トレーニングをしていた私とアトム。
何もしていなかったのは妻と子供達。
でも散歩等でその成果が出ているのは妻と子供達。
どうしてもこれっておかしいだろう。
誰がどう考えても、逆立ちしても、地球が終わっても。
そこで笑っている人、これは笑い事ではない。
1回のトレーニングで5000円これを月4回。
何ヶ月続けただろうか。
このままでは整形外科のように
「先生だいぶいい感じなんですが、まだダメですか?」
「う〜ん、もう少し掛かりますね。
頑張ってリハビリ続けていきましょう」
とやめ時がわからない状況下におちいる。
お金もかかるし、自分が立ち直れなくなる前にピリオドにした。
私は最後のトレーニングの夜に彼の背中をポンとたたいて言った。
「お前とは長い戦いになりそうだな!」
まぁしかし、『古風な女性のように1歩下がり飼い主を立てる』この時点で間違ってますね。
一歩下がっていた古風な女性も、従えていると勘違いして前を歩く人を、上手に掌の上で転がしていたのですよ。
今後の展開を楽しみにしておりますよぉ