
妻は子供達とアトムと共に和室で一緒に寝ている。
今は息子は自分の部屋が出来たので妻と娘とアトムである。
そこになぜ私は一緒に寝ていないのか?
それは簡単である。
「狭いから」
私は今でもこの事が理由だと思っているのだが。。。
アトムが我が家に来てからというもの
この和室は私を寄せ付けない部屋となってしまった。
いや、魔の巣である。
この魔の巣でスヤスヤと寝ている妻に用がある時がある。
まずそれを伝えるために襖を開けなくてはいけない。
まるで空き巣か夜這いに行くかのように私はそーっと廊下を歩く。
私の足音が和室の前で止まる。
その瞬間。
「ウ〜〜〜」
そして次に襖を10cmほど開けて中の様子を伺うのだ。
ヤツがこちらを見ているようだ。
「ウ〜〜〜 ウ〜〜〜」
部屋にまず右足を一歩踏み入れてみる。
手前で寝ている娘を踏まないようにしなくてはならない。
月明かりが微かに部屋の中を照らしている。
その微かな明るさの中で私は見てしまった。
この部屋の中でおきている現実を・・・
アトムは妻とひとつ布団の中
それも枕まで共にし寄り添って寝ているではないか。
私はひとつの布団で寝た事がないのに。。。
左、右、と足をしのばせ妻のそばまで歩いて行く。
するとヤツは突然体制を切り替え伏せの状態でこちらを威嚇。
危険を察し、慌てて妻を呼ぶが応答はなし。
死んでいるのか?
そんなはずは無い。
私は肩を軽く叩いて起こそうとした。
その時だった。
ヤツは妻のお腹の上に乗り、私に盛んに吠えてきた。
ライオンキングでの崖の上に立っているシーンを思い出す。
ここはアフリカのサバンナか。。。
間違いなく欧米ではない。
私はとりあえず部屋から一度出るしかなかった。
そして襖に手をかけ廊下から
「お客様、お連れの方がお見えになりました」
こんな感じで話していたのを思い出す。
「あした・・・」と妻に用を伝えはじめる。
しかし「あ」を言った瞬間に「ウ〜ワン!ワン!ワン!」
会話にならないので、5秒ぐらい間を置いた。
また話しかけはじめる。
「ウ〜ワン!ワン!ワン!」
「あ」から全く先に進まない。
するとあまりのうるささに熟睡中の子供達が起きてしまった。
常識から考えれば家族が私に言うべきことは「アトムうるさい!」である。
しかし我が家に常識はなかった。
「パパ!アトムが吠えるから出て行って!」・・・と。
寂しい男はそこで何か方法がないか考えた。
その結果、携帯電話で襖越しに話すしかなかったのである。
私達は家族である。
ちなみに吠えの度が過ぎると妻がアトムを一括。
お見事!ピタッとおとなしくなる。
今度は会話が出来るかと思い襖を再び10cmほど開けてみる。
すると今までのことが何もなかったかのように
みんな魔の巣でスヤスヤ寝ているではないか・・・。
そして禁断の二人はひとつの布団で愛を深め合っていた。
この気持ちをどこにぶつけたらいいのか・・・・
そうだ!ぶつけるところがあった。
那須のブリーダーさんである。
絶大なる信頼をおいているので、きっと解決策を見出してくれるはずだ。
私は期待を大にして電話をしてみた。
しかし私は返ってきたお言葉に心停止を起こすところであった。
「アトムパパは群れに入ってないね(笑)」
私は電話口で笑って、心で泣いた。
受話器を置いた後、ひとりでトイレでも号泣した。(ウソである)
ヤツは私の子供ではなかった。ヤツは新しいお父さん(夫)だった。それじゃ〜いったい私は誰なんだ!?
犬に妻を寝取られた寂しい男であった。
しかし後日、私はある仕返しをしたのである。
To be continued
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ヤツは新しいお父さんだった。』
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すいません、爆笑してしまいました(^^;)
イキナリ父の座を奪回するのは難しいかもしれませんので
まずはヤツの子供になり、群に潜入、徐々に地位を上げていくという
長期作戦はいかがでしょうか?
って、最終的にボスと戦う事に変わりはありませんが(笑)